先週行われた【日本ダービー(東京優駿)】は3連単の配当が2,856,300円も付く高配当の結果となりました。5番人気、4番人気、16番人気の順番なので当然かも知れませんが、非常に難解なレースとなりました。勝利したワグネリアンの鞍上福永騎手は19度目のダービー挑戦での勝利でした。ゴール前の福永騎手は非常にかっこよかったです。数年前あと一歩のところでダービーのタイトルをこぼしたので、今回は最後まで気を抜かずに目の前の勝利に向かってしっかり騎乗していました。福永騎手、ワグネリアン、関係者のみなさん、おめでとうございます。
今週で東京GⅠ連続開催は最終週になります。春の東京連続GⅠ開催の締めくくりは、府中1600mで行われるGⅠ【安田記念】です。春のマイル王を決める戦いです。今年はマイルのレベルが非常に高い香港からの刺客が1頭参戦してきました。日本のマイル界はモーリスが引退してから戦国時代に突入しているので今年も難しいレースになるでしょう。
★出走メンバー短評(前半)
アエロリット
昨年の3歳マイル王なので東京1600mの適性は問題ありません。ヴィクトリアマイルではしっかり仕上げられた中で4着なので牡馬も混ざる今回はそれより上の着順を望むのは難しいのではないでしょうか。今回は能力の高い牡馬もいるので状態面が維持出来ていれば穴馬として注目したいですが、下降傾向なら軽視します。
ウインガニオン
昨年のマイルチャンピオンシップではブービー着順で今年に入ってからも戦績を残せていません。夏馬なのでそろそろ調子を戻してくる頃でしょうが、さすがにこのメンバー相手に馬券圏内に入線するのは前走を見る限りでは厳しいと評価せざる得ません。東京マイルは勝利経験はあるので適性面は問題ありませんが軽視します。
ウエスタンエクスプレス
香港馬が日本のマイルGⅠに参戦します。選出馬は4頭でしたが、出走を表明したのはこの馬のみです。マイル戦のレベルが高い香港でマイルGⅠの勝利こそありませんが、2度の2着の経験があるので能力はGⅠクラスと考えて良いのではないでしょうか。ただ今の東京の馬場を考えれば海外馬には少し厳しい馬場かも知れません。能力的にはここで激走しても驚けない馬でレベルの高い香港から来ている馬なので、余裕があり状態面が良ければ印を回したいです。
キャンベルジュニア
重賞レースでは馬名をよく見る馬なのですが、意外にもGⅠレースへの出走はこれが初めての様です。昨年の後半戦はスランプに陥り結果を残すことが出来ませんでしたが、今年に入り鞍上を石橋騎手に変えてから心身ともにリフレッシュされ結果を残せるようになりました。馬場は軽い方が良いので今の馬場は合ってるでしょうし、東京コースも問題ありません。距離適性も問題ありませんし、なんといっても鞍上は好調騎手の石橋騎手と言う点を考えても穴馬として抑えておきたい存在ではないでしょうか。
サトノアレス
前走の京王杯スプリングカップの中で強い競馬を見せてくれた1頭です。4コーナーでの位置取りを考えると掲示板も微妙な位置取りでしたが、そこからの末脚は非常に強いものでした。3着と勝ち負けは出来ませんでしたが、そこまで悲観的になる必要のない競馬内容でした。前走の競馬を見る限りでは1400m戦は短いので距離延長はプラスですし、今回は叩き2戦目なのでさらにパフォーマンスを上げてくるでしょう。鞍上の蛯名騎手の不調具合が気になるところですが、注目したい1頭です。
サングレーザー
これからマイル路線を引っ張っていく器がある1頭です。3歳でマイル重賞を制すると3走前のGⅠマイルチャンピオンシップでは3着に入線して改めてマイル適正とのうう力の高さを証明してくれました。前走のマイラーズカップでは休み明け初戦ながらレコードで勝利しているので、叩き2戦目の今回はさらに上積みが見込めます。鞍上の福永騎手も先週のダービーで勝利している騎手なので最も『運』をもっているので2週連続と言うことも考えられます。ただ問題は東京コースへの適応力です。このハイレベルなメンバー相手に左周りを克服出来るかが鍵となりそうです。
スターオブペルシャ
馬柱は綺麗なのですが今回が重賞初挑戦となります。さすがに相手関係が違うのでここは軽視します。
スワーヴリチャード
今年の大阪杯の勝ち馬がマイル路線に参上します。能力と実績を考えれば有力馬の中でもこの馬は抜けているのですが、今回は初めてのマイル戦でマイルGⅠなので1600mをこなせるかが最大の鍵になるのではないでしょうか。宝塚記念では安田記念は選んだ理由はやはり相手関係と得意の府中と言うことでしょう。中間の動きも宝塚記念の疲れを見せておらずしっかり稽古を積めているので状態面は問題ありません。不安材料はマイルに対応出来るか、ただそれだけでしょう。
タワーオブロンドン
昨年の2歳王者を決める朝日杯フューチュリティステークスでは3着に入線して3歳マイル王の中心メンバーとして考えていましたが、前走のNHKマイルカップでは1番人気ながらも12着と凡走しました。レース内容を見る限りでは不利な内容があったのも負けすぎな印象もあります。ただまだ3歳馬なので伸びしろはかなりあるので追い切りの動きを見て取り捨てを決めたいと考えています。
ダッシングブレイズ
東京マイルで勝利経験があるので適性面は問題ないと考えているのですが、さすがに近走の戦績を見る限りではここでは買えないです。
★出走メンバー短評(後半)
ヒーズインラブ
現在2連勝中で今年の春のGⅠ戦線でも活躍したシルクレーシングの愛馬なので勢いがあります。キャリア的には今回が一線級のメンバーとの対戦なので力比べが難しい部分もあります。ただ残走のダービー卿CTの競馬を見ていても競馬センスの高い馬でしっかり末脚を使える点を考慮すると馬券的には穴馬として抑えておきたい存在ではないでしょうか。勝ち負けは厳しいかも知れませんが、複勝圏内なら十分に狙えるのではないでしょうか。
ブラックムーン
今年の京都金杯の勝ち馬なので適性面は問題ありませんが、近走の戦績を見る限りではなかなか手が伸ばし辛い存在です。前走は久しぶりの競馬なので今回は叩き2戦目なのでさらにパフォーマンスを上げてくるでしょうがここは軽視します。
ペルシアンナイト
前走の大阪杯はスワーヴリチャードに敗れましたが、得意距離のマイル路線に戻れば逆転出来る可能性が高いのではないでしょうか。前走は中距離でしっかり見応えのある競馬をしていたので成長を感じる競馬でした。マイルチャンピオンシップでマイルGⅠを獲っているので、この舞台ではさすがにスワーヴリチャードには負けられないか。ただ産駒的には今の府中はこの馬と相性が悪いので人気だけ吸って飛ぶパターンでもあります。追い切りの動きが良いだけに逆転も考えているのですが、当日の馬場次第では用無しの可能性もあるので馬場読みをしっかりしたいです。
ムーンクエイク
前走は初重賞挑戦で興奮したのか少し行きたがっていましたが、上手くC・ルメール騎手がコントロールしてくれました。騎手のファインプレーもありましたが、この馬の能力の高さを改めて実感しました。ただ前走の激走の疲れが稽古で見え隠れしています。穴人気しそうですが、今回は軽視するのが正解かも知れません。
モズアスコット
近走は1400mを中心にレース展開していましたが、前々走久しぶりにマイル戦を使うとしっかり対応したのでマイル戦でも十分対応出来る事が証明されました。C・ルメール騎手が三度手綱を握ってくれるのはプラス材料です。追い切りの動きも問題無かったので状態面は問題ありません。上位陣に逆転出来る能力はありませんが、複勝圏内なら十分に可能性があります。陣営の勝負気配も感じるので穴馬として注目したい1頭です。
リアルスティール
一昨年にドバイターフで初GⅠタイトルを獲得すると、国内重賞でもその力を発揮してくれましたが、なかなか勝ち切るまでには至りません。6歳馬になりましたが、今年の始動戦は2年ぶりのドバイターフで3着だったので年齢による衰えは感じません。ただ戦績を見る限りではマイルは短い印象があり、一昨年の安田記念では2桁着順に大敗しているのでマイルに対応出来るかがカギになるでしょう。メンバーレベル的に無理やり消すことは出来ませんが、抑え程度ではないでしょうか。
リスグラシュー
キャリア13戦して馬券を外したのは2回だけという抜群の安定感を誇っています。4歳牝馬で牝馬限定戦でキャリアを積んでいるので牝馬限定なら能力上位の評価を出来るのですが、今回は牡馬も相手なので怯まずタフな競馬が出来るかが鍵になるでしょう。武豊騎手とは掲示板を外していないので相性も安定感も問題ありません。適性面は前走で証明されているので、あとは3走前の東京新聞杯の様な競馬が出来れば勝ち負けまであるのでは無いかと考えています。ただ牝馬なので追い切りで状態面をしっかりチェックしたいです。
レーヌミノル
昨年の桜花賞馬なのでマイル能力は問題ありません。3歳時にはなかなか適正距離でのレースがありませんでしたが、近走は適正距離範囲内でレースをしているのですが掲示板がやっとっていう感じの競馬です。前走のヴィクトリアマイルでは凡走しましたが、1600m専用機な印象もあります。昨秋のマイル王を決めるマイルチャンピオンシップでは4着に入っているのでここでも激走の可能性はあります。追い切りでかなり仕上がっていれば大穴馬として狙っても面白いかも知れません。
レッドファルクス
16年17年のスプリンターズステークスを連覇したスプリンター能力の高いGⅠ馬です。昨年は安田記念に挑戦して3着に入線していますが、昨秋のマイルチャンピオンシップから勢いに陰りが見えてきています。ただ中間の追い切りはベストの時と同じくらいしっかり動いているので状態面から考えれば複勝圏内に入線出来るチャンスは高いです。ただ田辺騎手に乗り替わる点が気になるのであくまでも抑え程度位の評価です。
★今年の安田記念も大混戦!?
冒頭でも紹介しましたが今年の安田記念もかなり難解なレースになりそうです。絶対的なマイル王がいないのはもちろんの事なのですが、マイル路線で活躍している有力馬も一長一短ですし、今年は1番人気濃厚な馬がマイル初挑戦とかなりややこしいです。先週行われた日本ダービーとなんだか似ています。2000mで勝利したからといって1600mで必ず通用するわけではありません。距離は400mしか違いませんが、ペース配分、レースの流れ、仕掛け所、などいろいろ違います。私たちも100m走と400m走では300mしか変わりませんが、走り方、ペース配分などを変えるのと一緒です。日本ダービーに引き続き安田記念もかなり大荒れになるかも知れません。
★8頭のGⅠ馬が集結したが・・・
今年の大阪杯の勝ち馬から、マイルGⅠの勝ち馬、スプリントGⅠの勝ち馬など多方面のGⅠ馬が集まりました。フルゲート16頭中8頭がGⅠ馬と言うことになります。素人考えでいうとこの8頭さえ買っとけば良くないって思うかも知れませんが、競馬はそんなに簡単ではありません。これで当たれば馬券を買った人みんなが儲かる形になりますから。競馬はそんな甘いギャンブルではありません。上り馬からマイル適正の高い馬などの穴馬が激走する可能性も高いと考えています。フラットな目で見極めることが的中への近道だと考えているので、「マイル適性」「東京コース適正」を中心に馬券を組み立てたいと考えています。
軸馬候補 ⇒ スワーヴリチャード
最も不安材料が多い馬でもありますが、現時点で能力だけで考える場合はやはりこの馬が最も軸候補ではないでしょうか。大阪杯での競馬は非常に強かったですし、能力と実力だけ考えればここは一枚も二枚も抜けている存在です。追い切りの動きも問題ないので現時点では軸向きと判断しました。
穴馬候補 ⇒ リアルスティール
天皇賞秋や毎日王冠などの東京重賞で結果を残しているので東京コース適正は問題ありません。問題はマイル適性なのですが、昨年の安田記念を見る限りでは11着と大敗していますが、年齢を重ねるに連れて距離が短い方が上手く競馬をしている印象があるので今の当馬にしてはマイル位がベストではないでしょうか。