いよいよ2017年競馬の総決算レースとも言える【有馬記念】が今週末に行われます。今年は有馬記念が今年最後のGⅠレースではないので総決算レースと表記しても良いのか迷いましたが、競馬ファンなら有馬記念が総決算と思う方が多いと思うので表記させてもらいました。来年のレーシングカレンダーを見ても年度最後のGⅠレースはホープフルステークスなのでいつか総決算レースとして定着する事を願いたいですがさすがに有馬記念と歴史が違うので無理でしょう。JRAが馬券を売りたいという欲が垣間見れるレースではありますが、当サイトはJRAの陰謀でも乗っかって競馬を追求していきます。
今週は総決算レース【有馬記念】を徹底的に取り上げます。有馬記念は12月24日(日)中山11Rで行われます。中山芝2500mのトリッキーなコースで行われるレースなので牝馬には厳しいレースでもあります。今年はキタサンブラックの他にも引退を示唆している馬が出走しているので引退レースとしてもファンの注目を集めるのではないでしょうか。
★出走メンバー短評(前半)
カレンミロティック 川田騎手
先週のGⅠレースを勝利している騎手だけに注目が集まりそうですが、馬事体は9歳とトップレベルで戦うには厳しい年齢となってきました。今年は秋に2戦しかしておらず、さらに海外帰りの2戦なので状態面も気になるところです。先行策で競馬する馬なのですが、同脚にキタサンブラックがいるのでマークされているのと一緒と考えると今年の競馬を見ている限りでは難しいでしょう。さらにテン乗りの川田騎手なのでなおさらだと考えています。
キタサンブラック 武豊騎手
圧倒的1番人気に支持されることは間違いない現役最強馬です。年内での現役引退が発表されているのでこのレースが引退レースとなります。春の宝塚記念では9着と大敗して秋の海外挑戦を取消にして国内タイトルに絞ってきた今秋、天皇賞秋1着、ジャパンカップ3着と素晴らしい結果を残し残るはオーナーが1番結果を残したい有馬記念だけです。昨年は2着に敗れた舞台なので適性面は問題ありませんし、陣営もリベンジにかける思いは強く、清水調教師も早くからこのレースに言及していました。ただ前走のジャパンカップで落鉄があったとはいえ負けたのは当馬らしくないところ。近2走の見えない疲れと言うものがどこまで癒えているのかがカギとなるでしょう。中間の動きを見る限りではしっかり動けているので最終追い切りでどこまで仕上げてこれるか、陣営の腕の見せ所でしょう。
クイーンズリング C・ルメール騎手
昨年のエリザベス女王杯の勝ち馬なので能力面は高いのですが牡馬相手に競馬となると実績がないので評価を下げざる得ません。鞍上はC・ルメール騎手なので信頼度はありますが、GⅠレースとなると最近の結果から考えるとこの乗り替わるは微妙なところです。彼女にとって今年は苦しい1年で馬券にすら入線出来ていない現状でここで激走とは考えにくいです。中山の馬場もタフになっているので苦手な馬場と考えるとここは厳しい展開になるのではないでしょうか。
サウンズオブアース C・デムーロ騎手
今年に入ってからは1度も馬券に絡むレースをしておらず、近2走に限っては共に2桁着順で年齢を考えると6歳馬なので衰えを感じます。ただ中山2500mはこの馬にとっても条件の良い舞台ですし、好走が期待出来る舞台でもあります。中間の動きも問題なく、久しぶり外国人騎手に乗り替わりとなるとやや怖い存在でもあります。現状の力を考えると重賞未勝利馬なのですから間違いなく消すことが可能な馬なのですが、大舞台になると激走傾向のある馬なので取り捨てが難しい1頭です。
サクラアンプルール 蛯名騎手
有力馬に比べると人気と実績が乏しいですが侮る事ので出来ない存在でもあります。相手関係強化の難条件かつ距離延長なので条件的にはマイナスの条件が揃いましたが、中山適正が非常に高く、キレる脚を持っているので複勝圏内なら狙えるのではないかなと考えている存在です。血統的にも十分ここで好走を期待出来る血統でもあるので実績から軽視するのは危険です。鞍上の蛯名騎手はスランプ気味な部分もありますが、腕は良い騎手なので地元コースを上手く乗る事が出来れば面白い1頭になるのではないでしょうか。
サトノクラウン R・ムーア騎手
前走ジャパンカップ大敗後、有馬記念に出走するか否かは不明でしたが出走する事が決定しました。鞍上も世界的名手R・ムーア騎手が手綱を握るなど陣営はもしっかり準備を整えてきた印象を受けました。ただし前走後出走させるかを迷っていたのも事実なので馬の状態がどこまで戻っているのかが気になるところです。まだ余裕のある体つきだったのでどこまで状態を上げて絞ってこれるか、堀厩舎の手腕が問われるところではないでしょうか。中山コースはスタミナと急坂があるコースなのでこの馬にとってはベスト舞台でもあります。今春のグランプリレースの勝ち馬なので状態面が戻っていれば勝ち負け出来る1頭です。
サトノクロニクル 戸崎騎手
3歳馬の当馬がこのハイレベルなレースに挑戦してきました。春はクラシック戦線に乗る事が出来ませんでしたが夏を挟んで成長して秋は菊花賞に挑戦しましたが10着と大敗しました。前走のチャレンジカップでは有力候補を抑えて勝利したので勝ち負けに参加するのは難しいと思いますが複勝圏内ならチャンスはあるのではないでしょうか。戸崎騎手の最近の競馬を考えるとなかなか手を出し辛いのですが、中間の動きや馬体の完成度を考えるともともと素質馬として注目されていたので3歳馬の中でも有力候補に上げても良いのかも知れません。
シャケトラ 福永騎手
春のグランプリ宝塚記念では2番人気に支持され4着と能力のある競馬を見せてくれましたが、秋GⅠ2戦を見ている限りではここは力不足な印象です。天皇賞秋は不良馬場の影響もありましたが、ジャパンカップの競馬は完全に力不足だと感じました。引き続き福永騎手が乗ってくれますがそこまで期待出来ないのではないでしょうか。
★出走メンバー短評(後半)
シュヴァルグラン H・ボウマン騎手
前走のジャパンカップではキタサンブラックを抑えて勝利した当馬はサイン予想でもオススメしましたが、元メジャーリーガーの大魔神佐々木主浩氏の愛馬です。海外GⅠを制するなど絶好調中の馬主さんでもあります。前走のジャパンカップは陣営が最大目標にしていたらしく完璧なローテーションを組んで臨んだ結果とも言えるのではないでしょうか。ただそのレースは内枠にH・ボウマン騎手の神騎乗での勝利でもあったので前走の競馬を信用しても良いのか悩ましいところ。ローテーション的には問題ありませんが今までグランプリレースでは結果を残していない馬が前走の勝利で別馬のように変わっていればチャンスはあるでしょうが、もしかしたら凡走の可能性もあるので評価が難しいところです。馬券から消すことは出来ませんが中心視するのは難しいです。
スワーヴリチャード M・デムーロ騎手
今年絶好調騎手のM・デムーロ騎手が選んだ期待の3歳馬なので要警戒の1頭です。前走鞍上を務めたM・デムーロ騎手がたった1回の騎乗で選んだ訳ですからそれだけ能力があるという証拠ではないでしょうか。前走は初古馬との1戦でしたが問題なくクリアしているので今の勢いならここでも好勝負必死なのではないでしょうか。ただ主戦を務めていた四位騎手のコメントを見ている限りではサウスポーの可能性が高いです。新馬と未勝利は能力でカバーしたとして、皐月賞では凡走しているのでその可能性が高いです。右回りに戻るりますし、相手関係も大幅強化の1戦なのでここは抑えまでです。
トーセンビクトリー 田辺騎手
重賞勝利経験もあり、あまり大崩れのない馬ですが前走エリザベス女王杯での競馬を見ている限りではここでは力不足なのは明白です。牡馬一線級との対戦も初めてなのでここは無事に回ってくれることを願うまでです。
ブレスジャーニー 三浦騎手
柴田善騎手から三浦騎手に乗り替わる1戦です。三浦騎手と言えば数年前にM・デムーロ騎手から乗り替わった有馬記念で見せ場を作ってくれた騎手なのでこの乗り替わりは面白い乗り替わりと考えています。ただ馬の能力はここでは力不足な印象があるので三浦騎手がどこまで持ってこれるかではないでしょうか。菊花賞では馬場に泣かされて大敗したのは前走で明白なのでこの相手関係でどこまでやれるのか注目です。
ミッキークイーン 浜中騎手
牝馬の中で最有力候補として注目しているのは当馬です。前走のエリザベス女王杯では春のグランプリレース宝塚記念以来の競馬でしたが勝利こそ出来ませんでしたが非常に強い内容でした。少し荒れている馬場でもしっかり自分の競馬を出来ますし、昨年の有馬記念でも5着に入線しているので適性面は問題ありません。一昨年のオークスと秋華賞を制した2冠馬なので能力は非常に高く充実期である事を考えると馬券には入れておく必要があるでしょう。勝ち負けとなると少し強調性は欠けますが、展開が嵌まれば面白です。最近では珍しい主戦騎手があまり変わらない馬なのでそういった意味でも期待したいです。
ヤマカツエース 池添騎手
近2走は結果を残すことが出来ていませんが、上位クラスの馬とも十分戦える能力は持っている馬なのでここでも簡単に消すことは出来ません。昨年の有馬記念では8番人気ながら4着と好走している実績があるので、展開1つでは複勝圏内までならチャンスはあると考えているので馬券には入れておきたいです。鞍上も勝負に強い池添騎手なので展開が嵌まれば面白い1頭です。
ルージュバック 北村宏騎手
このレースの結果次第では引退の可能性もあるのでラストランとなる可能性があります。2歳時から名牝になると言われていましたが蓋を空けてみるとタイトルを獲得していないので陣営はここに賭けているのではないでしょうか。戸崎騎手に乗り替わってから別馬の様に内容のある競馬をしており相性の良い北村宏騎手が再び手綱を握ってくれるのは心強いです。ただ近走の競馬を見ている限りでは牡馬相手に好勝負を演じれる力はないと考えているので追い切りでベストなタイムを出さない限り馬券的には用無しではないでしょうか。
レインボーライン 岩田騎手
少しタフな馬場が得意な馬なので暮れの中山コースはこの馬にとって得意な馬場になるのではないでしょうか。現時点では穴馬として注目している馬です。ベスト条件は2000m前後だと考えているのですが、菊花賞で3着まで来ている馬なので乗り方次第では1発の可能性がある馬で岩田騎手となると馬券には入れておかないと怖いです。脚質的にうしろから行く馬なので届かない可能性もあるので、追い切りの動きがよければ穴馬として抑えておきたいです。
★今年の有馬記念はキタサン祭りなるか!?
前回の記事でもお伝えしましたが今年の有馬記念はグランプリレースとして注目されていますが、キタサンブラックの引退レースとして最も注目されています。現役最強馬の引退レースというのもあるのですが、やはりオーナーが演歌界の大御所北島三郎氏と言う点が高いでしょう。北島三郎氏もこの有馬記念に賭ける想いが強いのは今までのコメントなどを見ていると分かるので陣営もオーナーと馬のためにもここは最高の仕上げを施して勝負にかかるでしょう。種牡馬入りが決まっているだけにレース中無理をさせるかまでは微妙だが有馬記念制覇に強い想いがある陣営を考えるとここは逆らえないかもしれない。
★キタサンブラックにシュヴァルグランと実力馬が揃ったが穴馬の激走はあるか!?
例年なら有力馬は秋に海外挑戦しているので有馬記念を回避する事が多いのですが、今年は多くの有力馬が国内挑戦を選択したため豪華なメンバーが揃いました。キタサンブラックのライバル馬でもあるサトノダイヤモンドは凱旋門賞に挑戦したため出走回避しましたが比較的にハイレベルなメンバーが揃った印象です。ここまで実力馬が揃うと穴馬の好走は望みにくいです。さらにキタサンブラックは引退レースなので穴馬にとっては厳しい条件が揃いました。しかし有馬記念は穴馬の激走が見込めるGⅠレースでもあります。中山のトリッキーなコースで、2500mという中途半端な距離を考えるとこの適性に合っている穴馬を見つければ良い年末を過ごせるかもしれません。
軸馬候補 ⇒ キタサンブラック
やはりこの馬に逆らうことは出来ないでしょう。前走のジャパンカップで勝つことが出来なかったのは案外な気もするが、それでもGⅠ6勝馬なので能力は非常に高いです。ここは抜けた存在なので勝ち切れるかなどは別にすると堅軸と言えるのではないだろうか。ただ馬券的には固定しないと妙味は無くなるので買い方が重要になってくるでしょう。
軸馬候補 ⇒ シュヴァルグラン
キタサンブラックと力関係の位置づけは終わったと思っていたのですが、前走のジャパンカップで逆転したのでここでも十分チャンスはあります。鞍上も引き続きH・ボウマン騎手なので前走の再現となるかも知れないので注目です。